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Vol. 126

わかる人にはわかる。
北海道からこだわりの味を横浜へ。


馬車道
ジンギスカン&ラーメン「すすきの中村屋」


すすきの中村屋外観

味がわかる
常連が集まる店。

今回は素材にこだわるランチではラーメン屋、ディナーではジンギスカン屋に変身する、ちょっと変わったお店を紹介。店主のその熱い思いをお届けします。


ジンギスカン
「関東ではジンギスカンは流行りもの。100店舗あったとしたら、今現在90店舗は潰れてるでしょ。いかに生き残るかは肉の良さに掛かってる」と中村氏。
みなさんはMM21に遊びに行くとき、どんなルートを利用されているだろうか。
一般的にはみなとみらい線みなとみらい駅を利用し、そのまま直行アクセス!が一番の近道。でも、たまにはちょっと足を伸ばして、同線の終点、元町中華街から山下公園を散策し、海と平行して延びる海岸通(かいがんどおり)を歩き、横浜名物3塔、キング(神奈川県庁)、クイーン(横浜税関)、ジャック(横浜市開港記念会館)を見ながら、観光気分でMM21に向かわれてみては?
ちょうどおなかが空いたその時、万国橋通りの向こうに横浜第二合同庁舎(法務局)が目の前に見えてくる。その万国通り沿いと海岸通が交差する角地に、一風変わった佇まいのお店を誰しも発見することになるだろう。船舶で使用されていたような白い入り口ドアには暖簾がかかっている。その隣の壁にはドアと同調し、白い木材が使用されている。その木材に「北海道出身の店主はこだわりで買い付ける生ラムは臭みがない高級なアイルランド産 中国長木の石鍋で焼けば遠赤効果で絶品の美味」と、炭筆で書かれている文言を見逃す人はそう多くないはずだ。
内観
内観はおしゃれなカフェといったところ。ここで毎日北海道ラーメンが90食近く消費されていく。
その店は、ススキノ中村屋。ランチはラーメン専門店、夜は絶品ジンギスカンメイン店に変身するちょっとした有名人気店だ。なぜ、有名人気店となったのか、店主の中村秀秋氏に自己分析をお願いしてみた。
「この辺りから、関内駅にかけて、同業のジンギスカン屋は多く存在する。その中で2、3件、食べてからうちに食べにきてよ。そうすればわかるからさ」
ラム肉は、牛肉と違い、その肉を評価する等級がないという。全ては肉屋、料理人、客の口コミ評価がラム肉のブランドを形成する。中村氏は、北海道から横浜に店舗を構えると決めたとき、「このブランドのこの肉しか使わない」という肉を取引先の肉業者に既にオーダーをかけていた。しかし、その返答は「無理だ」の一言。それでも、「“なんとかしろ”って言い続けた」と中村氏。自分が知る限りの種類を焼いて食べ、一番美味しい物に決めが、店で必要な量を仕入れるのは簡単なことではなかった。
「うちで仕入れているものはフランス料理店などの高級レストランでしか出さないラム肉。通常のジンギスカン屋ではいろんな弊害で仕入れさせてくれない。でも、この肉だと思った肉意外は使えないから、業者に“なんとかせい”となる。ラムチョップに関しては、仕入れるのに1年半も交渉し、やっと今年、仕入れることが出来た。しつこかったんだね。そんなラムチョップをうちの常連さんは2〜3本注文するよ。他ではこんな美味い肉食えないって。10グラム110円だけど」1本の平均は80〜90gだというから1本900円〜1000円。高いか安いかは食べた人のみが知る。

中村氏
「ラーメンも東京から横浜までの有名店と呼ばれる店を何軒も食べ歩いて研究した。美味い、もう一度食いたいって思った店は、ほんの数店しかなかったよ」
「都会では、ジンギスカン用の肉を仕入れ、ハイ店舗ができました、ハイ営業です、なんてことがありなんだけど、結局のところ、それで回るのは最初のうちだけ。ジンギスカンが好きな人はいろんなところで食べ歩き、美味しいところに落ち着く。食べ歩いてなくても、美味しいものが好きな人もそれは同様。ジンギスカンってどこも値段はあんまり変わらないから、そうなったら当然、美味しいところに行くよね」
また、素材の他に味付けにもこだわりが。横浜の味付けと、北海道の味付けは明らかに違うと中村氏はいう。ラーメンも、ジンギスカンのタレ(お好みで、北海道仕様のものもあり)も、横浜に合せた味に調整している。
「この味が受ける受けないという意味ではなく、大きなメーカーもやっているあたりまえのこと。北海道には北海道の味付けがあり、横浜には横浜の味付けがある。ただそれだけのこと」
その違いを理解し、プレゼンテーションできる店主と出来ない店主いる。そんなところに競合店との差別化がなされているのかもしれない。
みなとみらい地区
この地区で働く人とは対照的に、海から見たMM21地区の景色はのんびりしたもの。
今後の展望としては、直営店として東京に1店舗、そして、出身地である北海道札幌に1店舗持つこと。また、この計画は意外にもジンギスカン屋としてではなく、あくまでもラーメン屋としてだそう。ランチのラーメンも人気の同店。その秘密は、知る人ぞ知る本場北海道の西山製麺に細さ固さを特別オーダーし、中村屋仕様にカスタマイズされた麺を使用しているからだという。そしてFC展開のように、大きく儲けようとすると味の質が落ちると、直営店展開にこだわるのも、やはり味に対しての想いの強さからだろう。
「ジンギスカンなんて流行りものだからね」と、前出の苦労をいつかすっぱりと手放すことになってしまうことに、なんの抵抗も感じていない様子が、なんだか北海道の人らしさなのかと納得してしまった。
「将来的には北海道に帰りたい」という中村氏。横浜に根を下ろすつもりはないという。
それはなぜだか聞くと、
「北海道の人は悪くいえばのんびりだけど、よく言えば余裕がある。横浜の人にも、ものを食べるときぐらいは余裕をもって食べて欲しい。そうすれば本当に美味いものがもっと見えてくるはず。あと、わかんないのが、関東の人って“しょっぱい”ことを“からい”って表現するでしょ。北海道の人間にはよくわかんないのよ。俺はやっぱり都会と田舎の真ん中の札幌がいいね」
夜になり、MM21がライトアップされる。
「店舗の場所をここにした一番の理由は立地条件もよく、安かったから。横浜のいいところ?みなとみらい。ランドマークタワーが好きだから。それだけ(笑)」
お散歩気分で、この地区に足を伸ばしたら、ぜひとも立ち寄ってジンギスカンを食べてみていただきたい。北海道の極上のジンギスカンが横浜仕様に変身して、味にうるさい店主が味のわかるあなたを待っている。

(横浜ベイサイドウォッチ 2007年3月15日号 取材 大塚みき)

●DATA
ジンギスカン&ラーメン すすきの中村屋

住所 神奈川県横浜市中区海岸通4丁目22関内カサハラビル1F
TEL 045-212-1023
営業時間 17:00〜00:00 L・O 23:30
Ranch 11:00〜15:00
土日祝日は12:00〜0:00まで通して営業
定休日 年中無休 ※年末年始は休業。
最寄駅 みなとみらい線 馬車道駅
メニュー アイスランド産生ハム(数量限定)998円
生ラム788円
特製塩生ラム819円
タレ付ジンギスカン(なんぽろジンギスカン)788円
昔ながらのジンギスカン 630円
野菜盛り(3品) 630円
特製塩セット(厚切りラムステーキ&野菜 1050円
行者ニンニク ソーセージ 630円
キムチ 451円
チャンジャ 420円
ねこまんま/じゃこめし 420円
ミニラーメン  350円
その他飲み放題付きパーティープランあり。要問合せ。
【ランチメニュー】
味噌ラーメン/涼ラーメン 780円
醤油ラーメン/塩ラーメン 700円
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